観劇メモ

観に行った舞台のメモや感想を書きなぐる場所。

木ノ下歌舞伎『義経千本桜』を観てきた。

歌舞伎って言ったの誰だよ!
アングラじゃねえか!!

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「歌舞伎かー、ゆったり観てればいいのかな。客入れの音楽もないし。」「開演前挨拶も粛々としてていいなあ。」などと思っていたら大間違い。M0暗転で流れてきたのがバンド調の『千本桜』、ミクさんのやつ。和装の人々がダンスと殺陣やってるの。もう度肝抜かれたね。

義経千本桜だけあって源平合戦では人々がバッタバッタ斬り捨てられる。その様子を衣装を脱ぎ捨てる形で表現していたのは分かりやすい。舞台上はどんどん散らかるけど、視覚に直接訴えるだけあって情景が想起される。入水シーンに合わせて天井から衣装がどんどん降ってきたのは、無残かつ美しかった。

歌舞伎っぽいセリフ回しは要所要所に使われていて心に響いた。陣営によっては完全な現代口調だったりするのに噛み合ってるのは本当に不思議。この辺はネットで見つけたインタビューが分かりやすい。

www.performingarts.jp

斜めに傾いた舞台には、1メートル程度の四角い穴がいくつかあり、そこには透明な蓋。下からの照明が美しい。通常の照明と合わせて、とても幻想的であった。義経のスニーカーの縁だけがブラックライトで灯ってるの、ツボだった。というかジャージに半ズボンの源義経なんて初めて見たぞ。

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歌舞伎そのものに馴染みがないし、「海老蔵かな?」「まあ上演時間120分程度なら」などと軽い気持ちで観に行ったのがとても申し訳なく思える。予想を遥かに超えてきた。斜め上からぶん殴られた気分。"歌舞伎の現代化"の意味が分かったし、馴染みがない故にかえってとっつきやすかった。

職場の某氏が携わっているとは聞いていたけど、もっと早くアンテナ張るんだった。別の演目も観てみたいですね。

木ノ下歌舞伎『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』
2016/06/10(金)@東京芸術劇場シアターイース