名前だけは聞いていた猫のホテル。恥ずかしながら予備知識はないし、再々々演というありがたみも分かっていません。
絶妙にタイミングが良かったので観てきました。暑い日だったから受付の冷凍おしぼりは良かったなあ。手が塞がっちゃうけど。
パンフによると親から子へ受け継がれる物語?らしい。タイトルの通り「苦労」の魂が受け継がれる、泥臭く、力強く、物哀しい、お話でした。
戦国、江戸、戦前、戦後と時間が流れる。出産シーンなどの明確な継承は無く、照明と演技でガラッと場転するのは見応えがあった。同じ役者が何役もこなしている状態であるにも関わらず、その演技でキャラクターが分けられているのは素晴らしい。そして各時代の主人公が「苦労」を背負っている様子も伝わってくる。
装置メモ。シンプルで抽象的、奥のパネルがトーナメント表のような模様で、家系図を彷彿とさせる。舞台は平で、下手1/3程度は段が下がっている状態。丸太は運んで座ってよし転がしてよし小道具入れてよしの便利グッズであった。
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生暖かいハッピーエンドなどではなく、ただただ暗い何かが残った。だがそれは不快感ではなく、地道にまた踏み出そうと思えるエネルギーにあふれている。
猫のホテル『苦労人』
2016/07/11(月)15:00@すみだパークスタジオ倉