社会問題を嘲笑うかのような舞台を創る笑の内閣。
前に観たのは2012年の「のるてちゃん」だったか。今回のテーマは「ヤクザ」と個人的に気になったこともあり、観てきました。
面白かったです。たくさん笑って、いろいろ考えちゃいました。
「ヤクザと関わってはいけない」わかる。「だからピザを売ってはいけない」まあわかる。「もちろん人権は認められない」仕方ないのかも・・・。というところに「クズだから人権は無いのか?」ときた。自由と人権は別物だろう、と。
そういう生き方をしたのだから自業自得だと言える。が、これを非正規雇用に言い換えるとどうなるだろう。肩書だけで判断されるのはたまったものではない。けども、社会不適合者と云われればそれまでなんだよなあ。
一方で、「いいヤツには周りが優しくしてくれるから、権利の話なんかしなくていい」というのも同感で。そう思ってしまうのはただの嫉妬なのだろうか。
演出曰く「演劇とヤクザを言い換えただけ」だそうで、そういう意味では演劇人は一見の価値があると思う。
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社会問題の"ある種のズレ"を、風刺・コメディとして演劇にしているところは美しさを感じます。色んな意味で好き嫌いハッキリしそうですが・・・
ところでアフタートークに同席された麻原さんとこの娘さん。偏見という面で作品とリンクする部分はもちろん、受け答えも軽妙でお話聞けて良かったです。
第23次笑の内閣『ただしヤクザを除く』
2016/07/13(水)19:30@こまばアゴラ劇場