観劇メモ

観に行った舞台のメモや感想を書きなぐる場所。

【映画】実写版攻殻機動隊『ゴースト・イン・ザ・シェル』を見た。

好きなシリーズということもあって吹き替え版を見てきました。

youtu.be

なんだかんだで攻殻機動隊していて面白かったです。

いろいろ思ったことがあるので、忘れないうちに感想を文字にします。

前提

劇場版「GHOST IN THE SHELL」「イノセンス」→未視聴

TVシリーズ「STAND ALONE COMPLEX」「S.A.C. 2nd GIG」→見た

劇場アニメ「ARISE」→半々

原作漫画→未読

…好きとか言いつつずぶずぶじゃないか。。

良いなあと思った部分

サイバーパンクの描写が美しい

最も驚いたのはこれ。摩天楼と電子公告、中を舞う文字や魚、ホログラム、ハッキングを始め電脳の描写…いちいち美しくてそんな未来に憧れる。

摩天楼のホロ広告も絢爛で、例えば『TIGER & BUNNY』や『マクロスΔ』で見たそれらよりも豪華で、それでいて生産者の意図というか消費者の生活感というか、この世界での日常である雰囲気を醸していた。

9課の人種経歴ごった煮感

公安9課はみんなイメージ通りのキャラクターをしていたと思う。吹き替えの声優陣のおかげもあるかも。

描写の量としては少佐と、戦闘員として同行するバトーが多め。メンバー同士の軽口の叩き合いをもっと見たかった。

少佐の「過去」の描写

これ物議を醸す部分だと思う。個人的にはありだと思っていて、それは「義体かどうかは問題ではない(=何を為すか)」という回答につながるからだ。

やたらと承認をするシーンが目についたけど最後には「少佐は~を承認する」と締める。それまでの「ミラ・キリアン」ではなく、先に発覚した「草薙素子」でもなく、だ。

公安9課の一員として生きていく決心のようなものを感じたし、そういう意味ではラストシーンでの母親との関係も落とし所として妥当だと思われる。

(※好意的に解釈している感じはあります)

ふと疑問に思った部分

ダイブの描写少なめ?

でも攻殻機動隊ってもっとこう電脳電脳してるのでは?という印象は受けた。電脳世界の描写に比べて肉体的なアクションシーンが多いというか。

顔を合わせることなく潜入する、そのスリルや腹の探り合い、そこから感じる未来感こそが魅力ではなかろうか。

尺に対しての予算とか、映像にして見栄えするかとか、要素はあるんだろうけどちょっとさみしい。

やけに中華な摩天楼

その摩天楼の光景に舌を巻いたのは事実だけれど、やけに中華中華していたのが気になった。もちろん「サイバーパンク感を増幅している」「スラム街の汚さを出すにも効果的」という見方はできる。

一方で「カタカナのフォントに違和感あるなあ」「中華(台湾)の資本が絡んでいるから?」という余計な情報が頭をよぎった。

世界の北野

荒巻課長のボス感・別次元の存在たる雰囲気は良かった。荒巻(とイシカワ)だけ日本語というのも要因のひとつか。アウトレイジ。ふがふが。

少佐のスーツ

なんだかボテッとしてない?いや実際に動くとそんなに問題ないしカッコイイんだけど。静止画・宣伝の面で損してるような印象。

まとめ

はじめに書いたとおりなんだかんだ面白かったというのが本音だ。

それは知識が中途半端だからだと言われれば、たしかにそうなのかもしれない。だとしても端々から「ああこれ攻殻感あるなあ」という謎の説得力は感じたし、こんな映像描写ができるのかという驚きもあった。

「あの世界の空気感を120分の物語として描ききる」ことは出来ていたと思うし、そこにおいては「コスプレの再現度」は問題ではないのだ。

『ゴースト・イン・ザ・シェル』/監督:ルパート・サンダース
2017/04/07公開、2017/04/08鑑賞

おまけ

作家・関係者視点から見るとどう映るのか、日本と海外における宗教観の違いも含めて、冲方氏の記事が面白かったです。

wired.jp