キービジュアルに惹かれて。
それと、手塚作品なら外さないだろうと思い。
あらすじ
1981年から1983年まで週刊少年チャンピオン(秋田書店)に連載された手塚治虫の漫画作品で、代役専門の天才役者にして泥棒という異色のキャラクター「七色いんこ」を主人公にした犯罪活劇。七色いんこは、観客から盗みを働くのを劇場と劇団が見逃すことを条件に、どんな代役でも引き受けて見事に演じのけます。そんな彼に恋心を抱きつつも、彼を捕えようとしつこく追い回す女刑事の千里万里子。世界を舞台に、数々の演劇を下敷きにしたストーリーが展開します。
舞台公式サイトから引用
感想
まっとうなエンタメを観た。漫画文化には疎いですが、それでも練られた物語だとわかりました。
ロボットの在り方とか、そういう手塚イズムも含みつつ、二人の関係性が素敵であった。
原作も読んでその再現性や差異を感じたい。
よかった点
主演の伊藤純奈さんがとてもよかった。舞台慣れしているようで、堂々とした姿がかっこよく、役そのものに感じられた。
ミュージカルすごい。宝塚出身者もおり、やはり動きのキレや歌唱の迫力が段違い。生の芸術。
アンサンブルもミュージカルやダンス関係が多いのかな?
並行して描かれる子供時代も素敵で、その演技から年齢の流れを感じられるのがよい。少年かわいすぎでは。
客席を歩くパフォーマンスはただのファンサかと思いきや、そこに目が行っている隙にセットが組み変わっていてなるほどと思った。
気になった点
ってアンケートに書きたかったのにーーーーーー
それ客は黙ってありがたがれっていうメッセージじゃんーーーーー
はい。
演目が演目だけに、役者が客席におりてくるとギョッとする。これもっと効果的に使えたんじゃないかなと思ってしまう。
それと、ぼくは舞台だと思い込んで観に行ったんだけど、幕が上がればミュージカルだった。
昨今の2.5次元はミュージカルでないといけない呪いでもるのだろうか。
キャストの宝塚で気づけよってのは場外乱闘だから無しで。
アイドルを起用する利点も思いつくけど、どうも(アイドルサイドもファンサイドも)食い潰しているようにすら感じる。
それこそ谷演出『三文オペラ』で警鐘を鳴らしていたことそのものを目にしているようだ。
装置メモ
大中小の蛍光色の枠が合計7つ。そこにハンガーで服がズラリとならぶ。
動かすことで場面を区切ったり、一つの部屋を写したり、時には舞台上を現したり。うまい。
蛍光色とプロジェクターも相まって、エンタメ感が前面に来ている感じがした。
じつははじめてのアイア。
まさか舞台観に来て金属探知されるとは思わなかった。
『七色いんこ』原作:手塚治虫/脚本:畑雅文/演出:三浦香
2018/10/04(土)@AiiA 2.5 Theater Tokyo