誰しも好みのアーティストや劇団があるとは思いますが、ぼくのイチオシは浅沼晋太郎さんの脚本、そして彼らの団体bpmですね。
今作は海賊も登場する港町とあって、衣装や武器も派手なものが多く見応えありました。
あらすじメモ
港町で古本屋を営む青年・バートン、そこに現れたのは花売りの女性ソフィア。声をかけるけれどつれない反応ばかり、どうやら一時期の記憶を失っているらしい。
かつてこの町で起こった、そしてこれから起こる、運命の数日間。
見どころ・感想
子供らがかわいい。菊地さん浅沼さんおいくつでしたっけ?そんなの忘れちゃうくらい。邪気の無い純粋さ、年相応に拗らせてる子、世間知らずな様子...子供達それぞれの成長の物語ともとれる。
ああでも花火師のおっさん達がある意味では一番子供かも。
それから今作の看板役者のひとりであろう楠田亜衣奈さん。舞台畑の集団にひとり声優畑の役者が混ざると、(良い悪いではなく)違いを感じてしまう。ところが、それが役にすごく合っていた。海軍という特別な階級、それも若い女性という、まさに"異質な存在"であった。
そしてアクション。アクションに強いメンバーがいるというのはすごく強みで、舞台セットやスクリーンを使った魅せるアクションはbpm見どころのひとつだと思う。特に今回はAND ENDLESSの西田大輔さん出演とあって、舞うような爽快な殺陣が繰り広げられていた。
親子それぞれの戦闘の型とでも言おうか、どこか通じる部分があってそこには深い愛情のようなものを感じる。親子が関わるシーンなんてほとんどなかったのに。
そして切られ役でもある海賊七人衆のかっこよさ。剣、二刀流、双剣、斧、鉾...武器が違えば動きも変わる。身体能力を生かした散り方も美しく、主役の強さが一層引き立つ。
装置メモ
下手にはバーカウンターのような本屋、後方スクリーンには水面。中央の階段を登れば桟橋になっていて、全体的に港町の雰囲気が広がっている。停泊中しているボロボロの海賊船にも上下のスペースがあり、出はけも可能。
さいごに
ひとつ気になったのは、マイクを使う人と使わない人がいることか。生の声がいいとかじゃなくて、統一してほしい。マイクの有る無しで「セリフ量が違うんだろうなあ」と気になっちゃう。アクションの都合・・・は関係なさそうだけど。
毎回思うけどやっぱり浅沼さんの脚本は好きだなあという感じ。言葉遊びが心地よい。あとタイトルの解釈が面白い。
世間様から許されている間くらいは、自分ももう少し頑張ってみるかと、思ってしまうのでした。
bpm EXTRA STAGE『ESORA』
2016/09/08(木)19:00@全労済ホール スペース・ゼロ